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Kria KV260, KR260のBoot Image Recovery Toolについて

Kria KV260, KR260 でファームウェアの書き換えに失敗してLinuxが起動しなくなってしまった場合でも、ボード内蔵のBoot Image Recovery Toolという機能を使えばPCからファームウェアを書き込んで復旧することが可能です。

また、独自のアプリケーションのBoot Imageを作ってボード単体で即時起動させるような使い方もできます。

Boot Image Recovery Toolの使用方法

まず、AMDのサポートサイトから対象のボードとLinuxに対応した最新版のファームウェアを入手しておきます。

192.168.0.0/24のLAN環境を設定し、PCとKV260をLANに接続します。

ボード上の「FWUEN」ボタンを押しながら電源を入れるか、もしくはリセットを押すとBoot Image Recovery ToolのWebインターフェースが起動します。

PCのWebブラウザで http://192.168.0.111/ を開くと下記のような画面が表示されます。(httpsは非対応です)


「Boot Image Status」には現在のBoot Image(ファームウェア)の状態が表示されています。書き込める領域はA/Bの2種類があり、「Non Bootable」に設定した方のイメージは使用されません。両方をBootableにしている場合、「Requested Boot Image」で選択した方が使用されます。ラジオボタンで選択してから「Configure」をクリックすると設定されます。A/Bのどちらかに有効なBoot Imageが残っている場合はこの設定だけで復旧可能です。

「Recover Image」ではPC上にあるBoot Imageを「Browse」で選択してAまたはBの領域に「Upload」で書き込むことができます。

これはAMDのサポートサイトからダウンロードしたファームウェアだけでなく、Vitisで作成した独自のBoot Image(スタンドアローン・アプリケーションなど)を書き込むことも可能です。スタンドアローン・アプリケーションを書き込んでそれを優先起動にしていればボード単体でオリジナルのアプリケーションを即時起動することも可能です。

A/B 2種類書き込めるので、例えばAに通常のLinux起動ファームウェアを書き込んでおき、Bに独自のアプリケーションを書き込んでこのツールで切り替えて使うこともできます。

Boot Image Recovery Tool自体はフラッシュメモリ上ではA/BのBoot Imageとは別の領域に書かれているのでA/B両方に無効なBoot Imageを書き込んでしまったとしても通常は復旧可能です。(保証はできませんので色々試す場合は自己責任で)